【動画】ゆったりとした横揺れが長時間続く「長周期地震動」体験=日浦統撮影
197万人が暮らす札幌市で、防災の盲点とされるのが「長周期地震動」だ。大地震で生じるゆっくりした大きな揺れで、高層の建物が少ない時代はあまり注目されなかった。しかし最近は市内でビルやマンションの高層化が顕著で、専門家は軟らかい地盤とあわせて被害を拡大させる危険性があると指摘する。
「家具・書棚などは固定しておきましょう」「高いビルの高層階では、大きく長い揺れに注意!」
札幌市の全10区役所にある窓口のモニター。最近、頻繁に放映されるのが長周期地震動を啓発する動画だ。制作した札幌管区気象台の長谷川洋平地震津波防災官は「道内ではなじみが薄い長周期地震動をまず知ってもらうのが大事」と語る。市も今年から、マンションの地震対策を記した市民向け冊子に長周期地震動の記述を追加した。
道内で長周期地震動の被害が確認されたのは、2003年の十勝沖地震のときだ。千島海溝沿いを震源とし、マグニチュード8を記録した。苫小牧の石油タンクでスロッシング現象で火災が発生し、44時間にわたり燃え続けた。
長周期地震動は震源から離れ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル